(出典 www.sankei.com)



1 風吹けば名無し

プロ野球史上最年長の50歳登板の記録を持つ中日OBの山本昌氏(54)が、11月に予定されている阪神の秋季キャンプに臨時コーチとして参加することになった。

中日時代にバッテリーを組んだ矢野燿大監督(50)からの要請を受諾した通算219勝のレジェンド左腕は、「話す機会があれば僕の考えを伝えたい」と藤浪晋太郎(25)の再生にも意欲を見せ、今季の一軍登板が1試合に終わった藤浪も担当記者の取材に
「すごい方なのでいろいろ話を聞けたらと思います」と答えたそうだが、「彼が山本昌のアドバイスに真摯に耳を傾けるかどうか……。正直、疑問だね」と阪神OBのひとりは首をかしげている。

実際、藤浪には“前科”がある。2015年の阪神春季キャンプに、通算206勝193セーブのOB左腕・江夏豊氏(71)が臨時コーチとして参加。投手陣にまずキャッチボールの大切さを説いた。
みなが真剣なまなざしでレジェンドOBの言葉に耳を傾ける中、藤浪だけは違ったという。

 キャンプ後、江夏氏は日刊ゲンダイのインタビューにこう言っていた。

「僕が一番大事にしてきたものをわかってもらいたいと考えた。それがキャッチボール。ボールを正しく握って正しい回転で投げる。キャッチボールの延長にブルペン、マウンドがある。せめて阪神の投手だけは大事にしようぜと。
一軍投手の18人中、17人はわかってくれたと思う。1人だけわからなかった投手がいたかな。それは誰か? 藤浪。あの子はいい意味で自分を持っている。ただ、聞く耳を持たない。
キャッチボールはやるけど、あくまで自己流。いずれわかってくれると思っているから必要以上に言わず、好きなようにやらせました」

■誰もが復活を望むが…

藤浪は高卒3年目だったその15年に14勝7敗とキャリアハイとなる成績を挙げて以降、勝ち星は7勝、3勝、5勝と下降線をたどり、今季はついに一軍未勝利に終わった。
死球を連発する深刻な制球難もあるいは、雑なキャッチボールに起因するのかもしれない。阪神の一軍のコーチも二軍のコーチも手を焼いている状態だというから、山本昌臨時コーチの指導が藤浪の耳に届くかどうか。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191017-00000012-nkgendai-base